小字北村商店
私たちの理念は、「自然に対する人為的な関与をできるだけ少なくし、自然界がもつ力を最大限に発揮させることで、人類がより豊かな生活水準を達成することへ貢献すること」です。
自然に対する関与を少なくする、その方法が肥料や農薬を使用しない方法で農作物を生産することです。この方法にこそ、大自然の恩恵を余すことなく享受するヒントがあると私たちは考えています。
その具体的な方法として「自然農法」を選択しています。今は、自然界から生まれる力がさらに現状を向上させる正のスパイラルを生み、生産物は年々増加し、その恩恵に日々感謝しています。
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地域固有性の発現による農業・農村の創造
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中塚雅也

農の6次産業化と地域振興
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基本法 初稿


ーーーーーはじめにーーーーー
農業は、他産業と比較すると生産性が低い。

 

そのため、高度成長期に2次・3次産業が発展するにつれて、
他産業との農業者の生活水準の格差が拡大した。

 

農業の自然的経済的社会的制約による不利を補正し、農業の近代化と合理化を図ることによって、
農業従事者が他国民と均衡する生活を営むことができるようにするため、
1961年、農業の憲法ともいえる農業基本法が制定され、
農業に関する政策目標が示された。

 

その後、農業基本法の制定から数十年が経過し、
農業・農村における環境が変化する中、
農業従事者の他産業従事者との格差是正が主な目的として掲げられた農業基本法は、
時代に合わせて修正される必要性が生じた。

 

そのため1999年、食料・農業・農村基本法が制定され、
農業だけでなく食料や農村にも深く言及する施策について、
新たな理念と重要事項が定められた。

 

本稿では、農業基本法における重点項目を確認する。

 


ーーーーー課題ーーーーー
農業基本法における重点項目を確認する

 


ーーーーー結果ーーーーー
農業基本法は前文とさらに6章の構成となっている。

 

□農業基本法□
(前文)
第1章 総則
第2章 農業生産
第3章 農産物等の価格及び流通
第4章 農業構造の改善等
第5章 農業行政機関及び農業団体
第6章 農政審議会

 

(前文)
わが国の農業は、長い歴史の試練を受けながら、国民食糧その他の農産物の供給、資源の有効利用、国土の保全、国内市場の拡大等国民経済の発展と国民生活の安定に寄与してきた。また、農業従事者は、このような農業のにない手として、幾多の困苦に堪えつつ、その務めを果たし、国家社会及び地域社会の重要な形成者として国民の勤勉な能力と創造的精神の源泉たる使命を全うしてきた。
われらは、このような農業及び農業従事者の使命が今後においても変わることなく、民主的で文化的な国家の建設にとつてきわめて重要な意義を持ち続けると確信する。
しかるに、近時、経済の著しい発展に伴なつて農業と他産業との間において生産性及び従事者の生活水準の格差が拡大しつつある。他方、農産物の消費構造にも変化が生じ、また、他産業への労働力の移動の減少がみられる。
このような事態に対処して、農業の自然的経済的社会的制約による不利を補正し、農業従事者の自由な意思と創意工夫を尊重しつつ、農業の近代化と合理化を図つて、農業従事者が他の国民各層と均衡する健康で文化的な生活を営むことができるようにすることは、農業及び農業従事者の使命にこたえるゆえんのものであるとともに、公共の福祉を念願するわれら国民の責務に属するものである。
ここに、農業の向かうべき新たなみちを明らかにし、農業に関する政策の目標を示すため、この法律を制定する。

 

第1条

国の農業の政策目標は、他産業との生産性の格差是正、他産業従事者との均衡する生活を営むため、農業の発展と農業従事者の地位向上を図ることにある。

 

第2条
一 需要が増加する農産物の生産増進、需要が減少する農産物の生産転換、外国農産物との競争関係にある農産物の生産合理化
二 土地と水の有効利用と開発、農業技術向上による生産性向上と総生産増大
三 経営の規模拡大、農地集団化、家畜導入、機械化、農地保有の合理化、農業経営の近代化
四 流通の合理化、加工の増進、需要の増進
五 生産条件、交易条件の不利を補正するため、生産物価格安定と農業所得確保
六 農業資材の生産と流通の合理化、価格の安定化
七 近代的経営者の養成と確保、農業従事者と家族の就業機会確保
八 農村の交通、衛生、文化などの環境整備、生活改善、婦人労働の合理化等により農業従事者の福祉向上

 

第3条 地方公共団体は、国の施策に準じて施策を講ずる

 

第4条 政府は第2条の施策を実施するため、法制上財政上の措置と資金融通の円滑化を図る

 

第5条 国と地方公共団体は、農業従事者及び農業団体の自主努力を助長する

 

 

 

ーーーーー参考資料ーーーーー
『農業基本法』


ーーーーー編著者ーーーーー
2018年3月30日 初稿発行
著者 國吉賢吾

| 政策 | 00:52 | comments(0) | - |
日本型直接支払

ーーーーーはじめにーーーーー
農村では、都市部に先駆けて高齢化が進み、
地域資源の維持・継承が大きな課題となっている。

 

2015年の食料・農業・農村基本計画でも重要項目として位置付けられており、
地域コミュニティによる農地・農業用水等の保全活動を促進する政策的支援が行なわれている。

 

2015年4月に施行された、「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」は、
農業の多面的機能の維持発揮のための活動に支援を行うものである。

 

この法律に基づいて農業の多面的機能を発揮するための施策として、
農地・水保全管理支払制度を拡充した多面的機能支払制度と、
中山間地域等直接支払制度及び環境保全型農業直接支払制度からなる
日本型直接支払制度が創設された。

 

現在、こうした日本型直接支払制度は全国的にどの程度拡大しているのだろうか。

 

 

ーーーーー課題ーーーーー
日本型直接支払制度とはどのようなものか。
その実施状況(2017年度)はどうか。

 


ーーーーー結果ーーーーー
日本型直接支払制度の実施状況データは、
2017年度の交付金実施状況見込みのものによる(農林水産省、2018a:農林水産省、2018b:農林水産省、2018c)。
これは、2018年1月末に取りまとめられた概数であり、今後数値の変更がありうる。


◯多面的機能支払制度
農業農村は、国土保全、水源涵養、環境保全、景観形成などの多面的機能を有しており、
その利益は広く国民が享受している。

 

将来に渡り、こうした多面的機能の維持を図るためには、
地域コミュニティによる農地、農業用水、農道などの資源の基礎的な保全活動や質的向上は必要である。

 

しかし、農村地域の過疎化、高齢化の進行に伴って集落機能が低下しており、
地域の共同活動によって支えられている多面的機能の発揮において支障が生じつつある。

 

また、共同活動が困難になることから、
担い手農家への資源の保全管理に対する負担が増加することが懸念されている。

 

このため、多面的機能発揮に関わる地域共同活動への支援を行い、
地域資源の適切な保全管理が推進されている。

 

多面的機能支払いには、
保全活動への支援施策として農地維持支払、
質的向上への支援施策として資源向上支払がある。

資源向上支払には、地域資源の質的向上を図る活動と施設の長寿命化を図る活動の
2つの活動に対する支援がある。

 

2017年度の多面的機能支払制度に対する予算概算決定額は48,251百万円であった。

 

□農地維持支払
多面的機能を支える共同活動を支援。
対象者:農業者のみ又は農業者及びその他の者(地域住民、団体など)で構成する活動組織
対象活動:法面草刈、水路の泥上などの農用地、水路、農道等の地域資源の基礎的な保全取組
取組市町村数 1,429
取組組織数 28,291
取組面積 2,266,000ha

 

□資源向上支払(地域資源の質的向上を図る共同活動)
対象者:農業者及びその他の者(地域住民、団体など)で構成する活動組織
対象活動:水路、農道、ため池の軽微な補修、農村環境の保全などの取組への支援。
取組市町村数 1,283
取組組織数 22,298
取組面積 2,001,000ha

 

□資源向上支払(施設の長寿命化のための活動)
対象者:農業者及びその他の者(地域住民、団体など)で構成する活動組織
対象活動:農業用用排水路などの施設の長寿命化のための補修・更新などの取組への支援。
取組市町村数 864
取組組織数 11,588
取組面積 690,000ha


表1. 多面的機能支払制度での交付単価

スライド1.gif

 


◯中山間地域等直接支払制度
農業の生産条件が不利な地域における農業生産活動を継続するため、国及び地方自治体による支援である。

国が費用の半分を負担し、地方自治体を通じた支援を2000年から実施されている。

 

集落などを単位として、農用地を維持管理する協定を締結し、農業生産活動を行う場合、
面積に応じて一定額が交付される。

 

2017年度の中山間地域等直接支払制度に対する予算概算決定額は26,300百万円であった。

 

□中山間地域等直接支払交付金
対象者:集落などを単位とする協定を締結し、5年間農業生産活動を継続する農業者等
対象地域:地域振興立法で指定された地域において、傾斜がある等の基準を満たす農用地
取組市町村数 996
取組組織数 25,871
取組面積 663,000ha

 

表2. 中山間地域等直接支払制度での交付単価

スライド2.gif

◯環境保全型農業直接支払制度
1999年の食料・農業・農村基本法において、
第4条、32条で農業の自然循環機能の維持増進することで、農業の持続的発展を図ることが記されている。

 

1992年に環境保全型農業が政策的に位置付けられ、
1999年の食料・農業・農村基本法において自然循環機能の維持増進が明記、
また持続農業法においてエコファーマーが認定支援されることとなった。
2006年、有機農業推進法が施行され、
2007年から農地・水・環境保全向上対策として地域ぐるみでの化学肥料・農薬の削減支援が実施。
2011年から環境保全型農業直接支援対策で地球温暖化防止や生物多様性保全への取り組みの支援が追加された。
2015年、多面的機能発揮促進法が施行された。

 

2015年の食料・農業・農村基本計画においても、
有機農産物の生産拡大を推進や環境保全型農業直接支払制度により地域で環境保全型農業の取り組みを推進している。

 

2017年度の環境保全型農業直接支払制度に対する予算概算決定額は2,410百万円であった。


□環境保全型農業直接支払交付金
対象者:農業者の組織する団体、一定の条件を満たす農業者等
対象活動:化学肥料、化学合成農薬を5割以上提言する取り組みと合わせて行う地球温暖化防止や生物多様性保全に効果の高い営農活動
取組市町村数 899
取組組織数 3,841
取組面積 89,778ha

 

 ◯支援対象取組別の取組面積
  ◯◯地球温暖化防止に効果の高い営農活動
   カバークロップ 18,437ha 21%
   堆肥の施用 20,048ha 22%
  ◯◯生物多様性保全に効果の高い営農活動
   有機農業 14,593ha 16%

 ◯作物区分別の取組面積
  水稲 62,840ha 70%
  麦・豆類 10,755ha 12%
  いも・野菜類 7,382ha 8%
  果樹・茶 1,951ha 2%
  花き・その他 6,850ha 8%

 

表3. 環境保全型農業直接支払制度での交付単価

スライド3.gif
ーーーーー参考資料ーーーーー
農林水産省(2018a)「平成29年度多面的機能支払交付金の実施状況(見込み)」()[2018年3月22日].
農林水産省(2018b)「平成29年度中山間地域等直接支払交付金の実施状況(見込み)」()[2018年3月22日].
農林水産省(2018c)「平成29年度環境保全型農業直接支払交付金の実施状況(見込み)」()[2018年3月22日].

 

ーーーーー編著者ーーーーー
2018年3月22日 初版発行
著者 國吉賢吾

| 政策 | 23:47 | comments(0) | - |
食料・農業・農村基本計画 初版

ーーーはじめにーーー
持続可能な地域経済社会を構築するため、既存の仕組みを変革しつつ、進める必要がある。

21世紀における食料・農業・農村に関する施策の基本方針として、

1999年7月に「食料・農業・農村基本法」が制定された。

 

基本法では、食料安定供給確保、多面的機能発揮、農業の持続的発展、農村振興の4つの理念を掲げている。

 

農業生産の現場では、農業の大規模経営や先端技術を利用した施設園芸などの新たな経営、

六次産業化や海外への食品輸出などによる価値創出と市場開拓の取り組みが始まっている。

 

また、都市から農村への田園回帰の動きも生まれつつある。

 

 

しかし、依然として農業就業者の減少と農業経営や技術の消失、地域資源の喪失や生活基盤の崩壊は懸念されている。

加えて、野生鳥獣による被害、農業生産基盤の老朽化が深刻化している。

 

 

このため、従来の体制を踏襲するだけでなく、発想転換が必要である。
多様な人材を取り込みつつ、スピード感を持ってチャレンジする姿勢が不可欠である。

 

 

こうした観点から、基本法への取り組みの指針として食料・農業・農村基本計画を策定し、

関係府省連携で計画的に推進する。

 

基本計画は10年程度先までの施策を示すが、
情勢の変化を踏まえ、おおむね5年ごとに変更が行われる。

 

 

ーーー課題ーーー
食料・農業・農村基本計画(2015年3月発表)の概要を確認。

 

 

ーーー結果ーーー

□中長期的な情勢として□
・高齢化や人口減少
・世界の食料をめぐる環境変化とグローバル化
・社会構造の変化、消費者ニーズの多様化
・農業/農村の構造変化
・新たな可能性(海外市場とロボットなど)
・震災からの復興

 

□施策における基本視点□
・食料安定供給の確保
・需要に立脚した施策
・農業担い手のための環境整備
・持続可能な農業/農村実現のための施策展開
・技術革新
・農業の所得向上と農村の賑わい創出

 

□□具体的施策□□
 ◯食料安定供給の確保
  ・食品の安全確保と信頼確保
  ・食育推進と国産の消費拡大、和食の保護継承
  ・6次産業化、食品の海外輸出、産業の海外展開
  ・食料安全保障の確立

 

 ◯農業の持続的発展
  ・担い手の育成確保、経営所得安定対策推進
  ・女性農業者の環境整備
  ・農地中間管理機構による担い手への農地集積
  ・農業生産基盤整備
  ・米政策改革、戦略作物拡大、技術革新
  ・気候変動への対応

 

 ◯農村振興
  ・多面的機能支払制度、中山間地域等直接支払制度、鳥獣害対応
  ・「集約とネットワーク化」
  ・農村への移住定住促進

 

 ◯震災からの復興
  ・着実な復旧
  ・安全確保と風評払拭

 

 ◯団体再編
  ・農協改革と農業委員会改革
  ・共済団体、土地改良区の検討

 

 □食料自給率□
  ・食料自給率目標(実現可能性を考慮)
   カロリーベース
    39%(2013年)→ 45%(2023年)
   生産額ベース
    65%(2013年)→ 73%(2023年)
  ・食料自給力指標設定
   食料の潜在生産能力を評価する指標。

   食料安全保障に関する国民的議論を深め、安定供給確保に向けた取り組みを推進

 

結果として、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
強い農業と美しく活力ある農村の創出

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

を構築する。

 

ーーーーー参考資料ーーーーー
農林水産省(2015)「食料・農業・農村基本計画の概要」(http://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/pdf/2_keikaku_gaiyou.pdf)[2018/3/19参照].


ーーーーー編著者ーーーーー
2018年3月19日 初版発行
著者 國吉賢吾

| 政策 | 10:55 | comments(0) | - |
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